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2014年07月03日(Thu): 運用報告

Category: General
Time: 18:08
Author: sprout
皆様こんにちは
修士2年の藤原です.

SPROUTの運用も1ヶ月が過ぎ少しづつ安定した運用となってきました.SPROUTの放出から今までの経過を少し説明したいと思います.

SPROUT放出後は,放出前に決められていた段取り通りにSPROUT内のハウスキーピングデータをのデータ取得を行いました.その結果,バッテリ温度が少し低いということから当初の予定より長めにSPROUT内のハウスキーピングデータの取得を行いました.取得を行ったデータの一部として,電池電圧と電池の温度センサのデータのグラフを示します.

電池電圧と温度の関係


このグラフからも読み取れるように電池の温度が-10℃近い状態が続いております.
今後は,衛星内部温度を上げるために電力を使いつつ電池の電圧を下げないような運用を行っていきます.
また,特に電池の温度を直接上げていく必要があるので電池の周りの機器の利用を中心に運用を行おうと考えております.また,今後は,解析したデータをホームページ上にもアップしていくのでそちらに詳しくデータを載せていきますので確認をお願いします.

次回は,衛星打ち上げ後からの地上局関連の変更点について引き続き藤原が説明します.

2014年07月11日(Fri): 地上局の開発

Category: General
Time: 07:47
Author: sprout
皆様こんにちは
修士2年の藤原です.

前回に引き続き藤原が衛星打ち上げ後からの地上局関連の変更点について説明致します.

SPROUTの地上局関連ソフトは今も開発を続けております.
開発を続ける理由としては,打ち上げ当初の地上局ソフトでも問題はないのですが,打ち上げ当初の地上局ソフトだと衛星にアップリンクを送る際のコマンドを手打ちで送っていました.そのように手打ちでコマンドを作成すると謝って送ってはいけないコマンドを作成してしまうかもしれないという問題があるため,簡易にコマンドを作成できるアップリンクソフトへの移行するためです.
また,学生衛星における問題点として今現在はSPROUTを開発するメンバーが日本大学に在籍しているためコマンドの作成することはできますが,開発メンバーが卒業してしまうとコマンドを作成することが出来ないということが挙げられます.そのためアップリンクソフトは出来るたけ簡単にコマンドの作成が可能でなければなりません以下に最新のアップリンクソフトを示します.

アップリンクソフト


次に地上局ハードウェアのメンテナンスを行いました.日本大学の地上局はSPROUTの開発と同時に地上局のハードウェアを開発したのではなく,前衛星SEEDSで使用していたハードウェアをそのまま代用してきました.そのため,アンテナなどの地上局ハードウェアは,6年もの期間使用し続けているため劣化している可能性があります.そのため,業者さんを呼びアンテナのメンテナンスを行いました.以下にメンテナンスの風景を示します.

計測中

アンテナの出力計測


今後も地上局関連の開発はより良いものへと日々バージョンアップしつつ開発を行っていきます.
次回は,修士2年の三田君よろしくお願いします.

2014年07月18日(Fri):

Category: General
Time: 01:39
Author: sprout
夏の訪れと共に汗が吹き出して参りました修士2年三田です.

早いものでSPROUT打ち上げからまもなく2ヶ月が経とうとしています.私がSPROUTに携わって2年以上経って時の移ろいを感じております.しかし,いくら時が過ぎようとも変わらないこともあります.それは地下での作業が再開されたことです.思えば先輩とROMで格闘した時も地下でした.SPROUTのミッションである膜面展開の中でインフレータブルシステムとカメラシステムのタイミングを図る目的で今日もせっせと作業をしています.膜面展開成功に向けて注力したいと思います.

作業風景


さらに,7/17はSPROUTのPMである山﨑先生とADC班である大日向君の誕生日でした!衛星工房の皆様で祝ってあげました!山﨑先生はご帰宅されてしまいましたので,大日向君のお祝いを...

喜ぶ大日向


私事ですが,修士2年ということで残り半年ちょいもすれば卒業となります.今までカメラやインフレータブル,データ処理のシステム班がいなく寂しかったのですが,意欲ある下級生が是非!と申し出てくれました.引き継ぐB2~M1の方々にはこの夏休みで全てを盗んでいただきたいなと思っております.

引き継ぎの話しもした所ですし,研究で技術継承といったことを扱う修士2年角川君お願いします!

2014年07月28日(Mon): 技術継承について-問題提起-

Category: General
Time: 12:34
Author: sprout
修士2年の角川です。

毎日午前と夜中に3回くらいずつ日本の上空に10分くらいやってくるSPROUTの運用が始まってから2ヶ月がたちました。
毎日一人で午前と夜中の運用を行っていくのは困難なので、研究室メンバー全員でシフトを組んで毎日運用を行っております。

そんな中、OBの方々が確立して来た技術の蓄積なしにはこうやって毎日SPROUTを運用することが出来ていないのだなと、日々宮崎研OBの方々の努力やそれをリードされて来た先生方の偉大さを実感しております。

といいますのも、SPROUTの運用で今当たり前に使われている9600bps,1200bpsのFMダウンリンクという技術も、宮崎研OBの佐瀬さんが実現されたそうで、この技術が確立されてなかったら(となるとそもそもSPROUTプロジェクトはキックオフすらしていなかった?)今、SPROUTの運用で当たり前に行っているFMダウンリンクが実現していなかったかもしれないと思ったからです。

前回のブログで、三田君から技術継承の研究をやっていることをご紹介頂いたので、本日は宮崎研究室-衛星開発の技術継承に関する課題点について書かせて頂こうと思います。

私は学部時代に行った人力飛行機世界記録挑戦プロジェクト失敗の経験を受け、どうすればプロジェクトの成功率を上げられるのか考えてきました。その中で対象のチームや組織において、技術や経験などの暗黙知を余すことなく次の代に繋いで行くことが、そのチームや組織でプロジェクトの成功率を向上させる一つの方法なのではと考えるようになりました。

【宮崎研衛星開発における技術継承活動のこれまで】
技術継承とは開発メンバー個人の暗黙知をいかに次の代につなげるかという問題です。
特に学生衛星開発においては世代交代によって人の入れ替わりが激しいことなどがあるので、技術継承は重要なテーマとなっています。
この課題に対して宮崎研のOBの方々が様々なアプローチを実行されて対処されてきました。例えば、形式知として、各ARISS、Cansat、SEEDSなどのプロジェクトでは報告書を整備されてきました。また、新入生教育プログラムというアプローチも行われています。
このような活動によって何年にもわたり蓄積された技術と経験を今の私たちが利用できたため、SPROUTミッションに挑戦できる環境が整えられて来たということを忘れてはならないと考えております。

【SPROUT衛星開発における技術継承課題】
SPROUTプロジェクトでは報告書を整備したり、新入生教育の中でSPROUTのノウハウを伝える活動は行っています。
しかし、私は現状の技術継承活動に危機感を感じました。
私は昨年度からSPROUTプロジェクトに参加させて頂いておりますが、その中でプロジェクトメンバーの間で"ロストテクノロジー"というワードが飛び交っています。
どういうことかといいますと簡単に言えば、担当の人しか仕様を把握していないブラックボックスシステムが既にあったり、SPROUTのシステムの中でも伝承するのが困難な技術や経験が多々あるということです。
また、システムレベルの統合、環境試験や実際の運用で検出された不具合や不整合に対する対処も記録をとってはいましたが網羅できていなかったり整理できていないのが現状です。
このままですとこれらが現開発メンバーにしかわからない暗黙知となり、担当の人がいないとわからないという状態に陥ってしまいます。
原因の1つとして、SPROUTではシステム開発の規模がcansatやSEEDSにくらべて広がり、より構成要素間(特にFMR,CW…etcといったサブシステムレベル)の相互作用が複雑になっていることが上げられると思います。
課題点は
・宮崎研衛星開発における技術継承
・SPROUTの運用における技術継承
という2つの切り口でSPROUT開発メンバーが”ロストテクノロジー”を最小化することだと思います。

【技術継承活動の甘さが将来のプロジェクトの成功率を下げる?】
技術継承活動をする側とされる側の観点があると思います。
する側という観点で書かせて頂くと、今のSPROUTプロジェクトで、もし技術継承活動が十分に行われないと、将来の宮崎研衛星開発の成功率を下げかねないと思います。
理由として、将来の宮崎研のプロジェクトがキックオフするかしないかの判断においては宮崎研に蓄積されている技術や経験が判断材料の1つとして用いられると思いますが、その技術や経験がブラックボックスで仕様が不明確であると、開発の段階で発生する不整合や運用の段階で発生する不具合に対処するのが困難になるからです。
先日のUNISEC General Meeting in 2014の「GPMを終えた団体がどのような情報を提供できるのか」というテーマで行われたパネルディスカッションでも「失敗をとりいれることが成功につながって行くのではないか」ということが言われていました。
プロジェクトを成功に導くためには失敗を隠すということは言語道断だと思います。失敗という暗黙知をいかに次に伝えるかがプロジェクトを成功に導くために重要なのではないでしょうか。
(開発の中で統合・環境試験で発生する不具合や不整合は行ってしまえば設計の失敗で、それを明らかにしていかに対処するかが開発です。ならばいかなる小さなプロジェクトの失敗に関しても組織全体で見れば同じことだと思います。)

技術継承をする側としてこのような心持ちが必要だと考えております。
だいぶ長々と書いてしまいましたが、技術継承に対する問題提起でした。アプローチやより詳細な考えについては次の機会に書かせて頂こうと思います。

※仕様とは
・SPROUT設計の要求、機能、物理
・SPROUTが実際の宇宙環境を想定して、どんな環境にさらして動作試験を行ってどうだったのか、その条件や結果の詳細
・SPROUTの統合・環境試験で発生した不整合や不具合に対する設計変更とその根拠
などです。

Category: General
Time: 15:46
Author: sprout
皆様こんにちは,修士2年の吉野です.

梅雨も明けまして,もうじき8月になりますね.この時期になると,通学の電車で親子連れやキャリーケースを転がしている人,学生の部活集団を見かけ,夏休みが来たんだなぁと実感します.その頃大学は学期末試験中でして,学部生はテスト,院生はレポート作成に取り組んでいるところです(この結果によって後期の大変さが・・・みんな頑張れ><).

SPROUTはというと,引き続き昼から夜に掛けて軌道投入時データの取得と,夜間最後の運用では現在の衛星の状態監視,土日にはSSTVで軌道投入時の画像を取得しています.入力する電波も周辺からのノイズが原因なのか弱いものが多くて苦戦続きですが,アマチュア無線家の方のお力もあって,少しずつデータベースに蓄積されてきています(ご協力頂きましてありがとうございます!).


7月12日に日大局で取得されたSSTV(写っているのはロケット???)


その他平行して,ホームページのほうに取得データの公開ページや,三田くん・角川くんからの通り,膜面展開実証地上実験の準備や,設計開発報告書も合わせて着々と準備をしている,というところです(先週末はUNISEC総会がありました,それについてはまた今度).

最後に宣伝になりますが,今週末8月2・3日は千葉県船橋キャンパスで日大理工学部のオープンキャンパスが行われます.私たちの研究室でも,SPROUTや普段行っている宇宙構造物の研究について,14号館やテクノプレースを中心に参加します.暑い中ですがお時間のある方はぜひお越しください.

昨年度のオープンキャンパス

ということで今回はここら辺で,次は修士1年の大日向くんにバトンパスです.