【SPROUT打ち上げまで23日です!】

皆さま,こんにちは.
修士1年の大日向です.
SPROUTマスターになろう!本日は姿勢決定・制御系の設計についてご紹介します.

姿勢決定・制御システムは,姿勢決定をするための太陽センサ,地磁気センサ,ジャイロセンサなどの姿勢を検出するセンサや,姿勢制御をするためのアクチュエータとなる磁気トルカ,姿勢決定・制御の演算処理をするためのMPUなどのハードウェアで構成されています.
ADCシステム図


姿勢決定・制御システムは,ハードウェアだけではなくソフトウェアの設計もしっかりしていかなければなりません.以下,ハードウェアの設計と,ソフトウェアの設計についてご紹介したいと思います.

【ハードウェアの設計】
■磁気トルカ
磁気トルカは,日大で自作を行っています.まず,磁気トルカの設計をするにあたり,出力が外乱に打ち勝ち,姿勢制御が行なわなければなりません.宇宙空間では,大気抵抗トルクや,太陽輻射圧トルク,残留磁気トルクなど,様々な外部からの力(外乱)が加わります.そのため,外乱がどれぐらいの大きさになるのかを見積もり,それに打ち勝つ強さをもった磁気トルカを製作します.

磁気トルカはコア材にコイル線を巻き付けることによって製作します.ここで,ムラなくコア材にコイル線を巻き付けることが重要となります.そこで,巻線機を自作し,それを用いてコア材にコイル線を巻き付けることにしました.
巻線機


手動でコイル線を巻くこともできますが,巻線機にはモーターが取り付けられているので,コア材を回転させることによって,コイル線を自動で巻くこともできます.
こうして,SPROUTの磁気トルカが作られました.
磁気トルカ


■太陽センサ
太陽センサも,日大で自作を行っています.
太陽センサ


太陽センサの検出角は,誤差の大きさなど,色々と検討を行った結果,±55[deg.]となりました.衛星からみた全方向を検出できるようにカバーしなければなりませんので,CADを用いて,全方向がカバーできるように太陽センサを配置しました.
太陽センサ検出角太陽センサ検出角


こうして,太陽方向をすべて検出できるように太陽センサと配置が考えられ,設計されていきました.

【ソフトウェアの設計】
ソフトウェアに関しても,きちんとした設計が必要となります.姿勢決定・制御系では,姿勢制御の演算処理を行なう必要があります.磁気トルカは小さい力しか出すことができないので,宇宙空間では制御することができますが,地上での検証が困難となります.そのため,姿勢シミュレータを自作し,何度も姿勢シミュレーションを行うことによって,ソフトウェアに反映することを繰り返し,ソフトウェアを作り込んでいくことになります.
ソフトウェア設計の流れ


そのため,下図のような構成で,姿勢シミュレータの自作を行いました.
姿勢シミュレータ


姿勢シミュレータを作るにあたり,各プログラムの箱の入力と出力を明らかにする(例えば,姿勢制御則の入力は姿勢角で,出力は磁気モーメントなど)ことによって,完成したプログラムの箱をそのままSPROUTに反映させます.

また,SPROUTの姿勢決定・制御系の開発言語はC言語なのですが,姿勢シミュレータも同様にC言語で作ることによって,シミュレータで作られたプログラムをそのままSPROUTに反映させることができるようになっています.

一例として,衛星の回転を抑制させるデスピン制御のシミュレーション結果を紹介します.
デスピン制御


地上では実機を用いた検証が難しいため,このように数値計算で衛星の運動をシミュレーションしてあげます.このように,シミュレーションがうまくいったプログラムが,SPROUTに搭載されることになるのです.

以上,姿勢決定・制御システムの設計の紹介でした.
このように,色々と試行錯誤の末,姿勢決定・制御システムが作られてきました.まだ数値計算上でした姿勢制御が行なえていないので,実際の宇宙ではどのような運動をするか,どきどきしています.

明日は,データ処理系設計に関して,修士2年の三田さん宜しくお願いします!