【SPROUT打ち上げまで21日です!】
皆様,こんにちは.修士2年の吉野です.
SPROUTマスターになろう!
本日は「インヒビット設計」についてご紹介します.

そもそもインヒビット“inhibit”は、【inhibit:抑制する、妨げるetc.】という意味ですが、
SPROUTのインヒビット設計について言えば代表的なもので、
●衛星電力供給
●アンテナ展開用ニクロム線電源供給
●SMAバルブ回路電源供給
●(分離機構電源供給…これについてはまた明後日!)
これらの動作に対して、打ち上げ時の不意な誤動作を抑制する設計の考え方を指します。

SPROUTはH-IIAロケットの相乗り衛星として搭載され打ち上げられますが、その打ち上げの際に生じる振動・衝撃等によって衛星搭載機器が故障した場合、不意な誤動作(電波発生・膜面展開)が発生、その結果ロケットや他の主・相乗り衛星の損傷・破壊につながることが考えられます(そうならないように今まで環境試験で確認してきました)。その際の冗長設計としてインヒビット設計を組み込んでいます。これらは衛星側・ロケット側からの要求をまとめて、システムの安全性の確認として設計・実験を通した評価を行ってきました。

●アンテナ展開用ニクロム線電源供給
衛星に電源供給されるとアンテナ展開用のタイマーIC×4が作動・数分カウントした後の出力信号によりアンテナ展開動作を行う仕組みになっています。またアンテナを取り付けているワイヤーを2系統備え、2系統すべてをニクロム線から成る溶断機構により溶断しアンテナが展開します。

●SMAバルブ回路電源供給
SMAバルブの電源供給には①衛星への電源供給、②INFマイコンへの電源供給、③INFコマンドによるSMAバルブ電源供給、のインヒビット化によりハザードを抑制しています。

●衛星電力供給
打ち上げ時に衛星のシステムが起動しないように、分離機構からの放出を検知するスイッチ(放出検知スイッチ)を3つ搭載し、全スイッチがONになることで初めて衛星への電源供給が可能になります。また振動・衝撃試験中においてはこれらスイッチの開閉状況を確認する試験も行います(これについては環境試験紹介の時に)。


以上インヒビット設計についてでした。今回までは衛星の設計について紹介させて頂きましたが、明日・明後日の2日間は衛星を軌道上に投入する分離機構”N-POD”についてご紹介いたします。