【SPROUT打ち上げまで19日です!】
皆様,こんにちは.ブログ3日目の修士2年吉野です.
SPROUTマスターになろう!
本日は分離機構N-PODの設計(構造、電気系)についての紹介です。

■設計要求
N-PODのミッションは軌道投入高度まで衛星を把持しロケット信号により衛星を宇宙空間へ放出してあげることです。設計する上で衛星側・ロケット側から以下のものが主な要求として挙げられます。
【分離機構・衛星】
●打ち上げ中の衛星の収納  ●ロケット分離信号による分離
●衛星の分離に対する適切な耐故障性
【ロケット】
●質量特性、包絡域、剛性(固有振動数)、機械環境
●ロケットと分離機構間の構造的・電気的結合、分離速度
●誤展開防止  ●打ち上げ環境(温度・気圧)の適応、アウトガス

■構造設計

衛星を搭載するPOD部分は打ち上げ時の振動に耐えられるよう厚み・材料用いて設計(数値解析にかけて検討)され、衛星分離方向のパネルから衛星を収納しますが、この収納・放出する際に衛星に触れる部分には表面処理を行ったガイドレールを設け、分離速度の減衰を抑えて押し出しバネ・板により放出されます(この分離速度を考慮して数値計算からバネ定数を決定し、解析・実験から評価します)。衛星分離方向のパネルは①ロケットから2つの信号を受け、②制御基板が動作し保持解放機構(HRM)のニクロム線へ電力供給、③ニクロム線がワイヤーをヒートカットして開放し、解放されたパネルは衛星の分離を妨害しないよう120deg.の角度でラッチを掛けています。HRMは下図のような構造で赤色のワイヤーを焼切りバネによりパネルの保持が外れる仕組みです。


■電気設計

制御ボックス内にある分離機構制御基板は上図のような設計になっています。展開動作はロケットからの信号(分離許可信号・分離信号)を受信することを起点とし、基板上のリレースイッチが動作・そのスイッチを通してバッテリ電源からHRMのニクロム線へ電力供給を行いヒートカットすることができます。以上のシステムの内ロケット信号やスイッチを複数にすることでHRMの誤動作を防止しています。

以上、二日間に渡って分離機構N-PODについて紹介してきました。明日から1週間は宇宙環境を模擬して衛星の機能・性能を評価する“環境試験”についてです。
(振動試験、衝撃試験、恒温槽試験、熱真空試験、通信試験、運用試験、ベイクアウト)
ということで明日は修士1年の大日向くんからロケットの打ち上げ振動の影響を評価する振動試験の紹介です。宜しくお願いします。