【SPROUT打ち上げまで18日です!】
皆さま,こんにちは.
修士1年の大日向です.

SPROUTマスターになろう!本日から1週間,各種環境試験(振動試験,衝撃試験,恒温槽試験,熱真空試験,通信試験,運用試験,ベイクアウト)に関して,紹介していきたいと思います.その中でも,本日は振動試験について紹介していきます.

振動試験
衛星は,H-IIAロケット搭載時,打ち上げ時には大きな振動を受けることとなります.ロケットの打ち上げ振動でもし衛星が壊れてしまったら,ロケットや主衛星に部品がぶつかって,傷をつけてしまう可能性があります.そういったことは,副衛星ですから,絶対に起こしてはいけません.
また,それだけではなく,ロケットの振動に耐えることができなければ自分たちが思い描くミッションをきちんとこなすことが出来ない可能性がありますから,きちんと試験をして大丈夫であることをいう必要があります.その試験が,振動試験と呼ばれています.
SPROUTN-POD


振動試験では,振動試験機をお借りして,実際のロケットの振動を模擬した振動をかけることになります.ロケットの種類によって,ロケットの振動の仕方が異なりますので,きちんとH-IIAロケットの振動の模擬をします.
また,振動試験では,振動のレベルが2通りあり,それぞれ
・QT(Qualification Test):認定試験
・AT(Acceptance Test):受入試験

と呼ばれています.QTレベルの試験は,衛星の試験用のプロトタイプモデルを使用し,打ち上げ環境より厳しい条件で振動をかけ,衛星がどの程度耐えられるのか実証する試験となっています.QTレベルの試験に耐えることができる構造は,実際のロケットの振動でも耐えることができるだろう,と実証されるので,そこでフライトモデルの設計に進むことになります.
ATレベルの試験は,衛星のフライトモデルをより実際のロケットの振動に近い条件で振動させることによって,フライトモデルが振動に耐えられる構造になっているかを実証する試験です.実際の打ち上げるフライトモデルでは,衛星へのダメージを防ぐために,QTレベルの試験は行いません.ATレベルの試験によって,フライトモデルがロケットの振動に耐えられる構造になっているかどうか分かりますので,その試験によって,ロケットへの搭載の可否の判断がされることになります.
QT/AT


ただ壊れていないことを外観チェックすること以外に,とても重要な確認ポイントがあります.それが「固有振動数のチェック」です.構造物にはそれぞれ固有振動数(~Hzと呼ばれるもの)をもっています.また,ロケットも打ち上げ時に振動しますので,衛星の固有振動数が,ロケットの振動数に近くなってしまいますと,「共振」と呼ばれる現象が起きてしまい,急激に衛星が大きく振動し始めて,壊れてしまう可能性があります.そのため,ロケットの振動と衛星の固有振動数が離れていることを振動試験で確認することになります.
振動試験の様子振動試験の様子


SPROUTは,振動試験を無事通過しましたので,H-IIAロケットで打ち上げられることで可能になりました.振動試験は毎回ドキドキでしたが,無事通過してくれたので,ロケットの振動にも耐えてくれるという自信があります!

以上,本日は振動試験の紹介でした.明日は引き続き大日向が,衝撃試験について紹介していきたいと思います!
SPROUT STR Ohinata